『ホモ・デウス』を書評【著者・内容・評価】

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目次

『ホモ・デウス』とは

必読レベル
難易度
『ホモ・デウス』とは?

『ホモ・デウス』は2015年に発表されたユヴァル・ノア・ハラリの作品です。

過去の歴史を踏まえつつ、テクノロジーの発展が人類に与える影響を考察しました。

世界的ベストセラーである『サピエンス全史』の続編に当たる作品です。

著者

この本の著者は、イスラエル人の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリです。

生物工学、情報工学、宗教など幅広い分野にまたがった研究を行う、独自性の高い歴史学者です。

代表作は『サピエンス全史』、『ホモ・デウス』、『21Lessons』などです。

目次

本書の目次は以下の通りです。

 第1章 人類が新たに取り組むべきこと

第1部 ホモ・サピエンスが世界を征服する

 第2章 人新生

 第3章 人間の輝き

第2部 ホモ・サピエンスが世界に意味を与える

 第4章 物語の語り手

 第5章 科学と宗教というおかしな夫婦

 第6章 現代の契約

 第7章 人間至上主義革命

第3部 ホモ・サピエンスによる制御が不能になる

 第8章 研究室の時限爆弾

 第9章 知能と意識の大いなる分離

 第10章 意識の大海

 第11章 データ教

内容

人類の歴史を総括する

本書の前半では、これまでの人類の歴史を総括していきます。

人間が作り出した「虚構」に注目し、人間が地球の中心となっていく様相を描きます。

ここは前作の『サピエンス全史』と内容が類似しています。

人間のアップグレード

本書の後半では、情報工学や生物工学などのテクノロジーが発展により、人間がアップグレードされることが予想されます。

このアップグレードされた人間は「ホモ・サピエンス」を超える「ホモ・デウス(神)」になるとされます。

またアルゴリズムが人間の意思決定を代替するなど、テクノロジーが人間至上主義(人間が地球の中心であるという考え)の世界観を破壊する可能性も指摘しています。

『サピエンス全史』と比較

『サピエンス全史』とは?

『サピエンス全史』は、2011年に発表されたユヴァル・ノア・ハラリの作品です。

『ホモ・デウス』の5年前に発売された作品であり、内容の連続性が指摘されています。

『サピエンス全史』は過去、『ホモ・デウス』は未来

この2作品を比較すると、『サピエンス全史』は過去、『ホモ・デウス』は未来にフォーカスしています。

『サピエンス全史』はハラリが原始時代~現代を分析した作品で、『ホモ・デウス』はハラリが過去の歴史を踏まえつつ未来を考察した作品となっています。

ハラリの主張をより深く理解したい場合は、『サピエンス全史』→『ホモ・デウス』の順番で読むといいかもしれません。

評価

総合評価

ホモ・デウス
総合評価
( 4 )
メリット
  • 人類の未来を考えるヒントを得られる
  • ハラリの視点から人類の歴史を学べる
  • 背景知識がいらない
デメリット
  • 未来予測の正確性は検証できない

現在のテクノロジーの発展を踏まえ、人類の未来を考察した作品です。

情報工学や生物工学についても言及されており、歴史学の本としてはかなり独自性が高いです。

またハラリの視点からこれまでの人類の歴史が解説されており、人間社会の理解に役立ちます。

もちろん本書の未来予想の正確性は検証できません(むしろ一部は極端にも思えます)が、これからの社会を考えるうえで一読に値する作品です。

これから人類がどうなるのか気になる人におすすめ

本書は、これから人類がどうなるのか知りたい人におすすめです。

人類の歴史だけでなく、情報工学や生物工学のテクノロジーへの理解も高まるため、現代社会を考えるために役立つでしょう。

ハラリの未来予想がどれほど正しいかは不明ですが、一つの視点としては興味深いものとなっています。

前作『サピエンス全史』とあわせて読むのも◎

本書は、前作の『サピエンス全史』と内容の関連性があります。

特に本書の第1部・第2部の内容は『サピエンス全史』と類似しており、あわせて読むことで理解度が高まるでしょう。

本書でユヴァル・ノア・ハラリの世界観が気に入った人は、『サピエンス全史』もおすすめです。


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おわりに

以下の記事では、歴史学をまとめて解説しています。

歴史学の基本をざっくり学びたい方は、こちらの記事もおすすめです。


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この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
■歴史学の本を年間100冊以上読む

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