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『民族とナショナリズム』とは
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前提知識:ナショナリズムとは
ナショナリズムとは、国民(文化的に同質な人々の集団)を重視する思想・運動のことです。
独立した国民国家を形成しようとする思想・運動と定義されることもあります。
著者
この本の著者は、ユダヤ人の哲学者・社会人類学者アーネスト・ゲルナーです。
哲学・政治社会学・思想史・社会人類学などの幅広い知見を持ち、様々なジャンルの作品を遺した人物です。
代表作は『民族とナショナリズム』です。
内容
ナショナリズムの発生要因・時期を分析
本書の前半では、ナショナリズムが発生した要因と時期を分析していきます。
ナショナリズムの成立過程について、示唆的な考えを提供しています。
3種類のナショナリズム
本書の後半では、ナショナリズムが3種類に分類されます。
身分ごとの教育レベルの違いから独自の分析を展開しています。
少し単純すぎる区分かもしれませんが、簡潔でわかりやすいものとなっています。
ナショナリズム研究における立ち位置
ナショナリズム研究の土台を作った
本書は1983年に発表され、ナショナリズムを明快に論じた作品として高く評価されました。
そして同年に発表された『想像の共同体』とともに、ナショナリズム研究が勢いづくきっかけを作りました。
これ以降、数多くのナショナリズムを研究した著作が発表されていきました。
評価
- ナショナリズムの成立についての鋭い視点が得られる
- ページ数が少なく、挑戦しやすい
- 理論的な考察が中心で、歴史的な実例はあまり扱っていない
ナショナリズムの成立について論じた作品です。
ナショナリズム研究の重要文献であり、現在でも広く読まれています。
約240ぺージと短く、背景知識もそこまで必要ないので、古典作品ながら挑戦しやすいでしょう。
ただし理論的な考察が中心となっており、歴史的な実例があまり紹介されていないため、少し綺麗にまとまりすぎている印象もあります。
ナショナリズムの入門におすすめ
本書はナショナリズムの入門におすすめです。
古典ながらもページ数が少なく、議論もシンプルです。
この分野に興味がある人は、本書から入ってみるのも良いでしょう。
『想像の共同体』『ネイションとエスニシティ』とあわせて読むのも◎
本書は、『想像の共同体』や『ネイションとエスニシティ』などのナショナリズム研究書とも相性が良いです。
これらの書籍をあわせて読み、さらにナショナリズムへの理解を深めるのもおすすめです。
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おわりに
以下の記事では、歴史学をまとめて解説しています。
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