【決定版】ヤーコプ・ブルクハルトを解説【功績・経歴・代表作】

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目次

ヤーコプ・ブルクハルトとは

影響力
作品
ヤーコプ・ブルクハルトとは?

ヤーコプ・ブルクハルト(1818-97)はスイスの歴史学者です。

19世紀を代表する歴史学者の一人で、文化史・美術史の研究を得意としています。

現在では一般的になっている「ルネサンス」という言葉を定着させた人物でもあります。

経歴

出生~学生時代
1818年

スイスのバーゼルに生まれる。

父方には牧師、議員、教授などを職とする人物がいた。

1830年

母が病気で亡くなる。

1837年

バーゼル大学に入学する。

大学では、はじめは神学を学ぶが、途中で歴史学に転向する。

1839年

ドイツのベルリン大学に入学する。

ベルリン大学時代は、ランケ、ドロイゼン、ヤーコプ・グリムなどから歴史学を学ぶ。

また美術史の研究にも興味を持ち、美術史家のクーグラーにも学んだ。

1842年

『ベルギー諸都市の芸術作品』を発表する。

1843年

初めての歴史書となる『ケルン大司教コンラート・フォン・ホーホシュターデン』を発表する。

これらの2つの著作により、ベルリン大学から学位を得る。

バーゼル大学・スイス連邦工業大学の教員時代
1844年

バーゼル大学の講師となる。

歴史と美術史を担当する。

1845年

バーゼル大学の助教授となる。

1848年

バーゼル大学の員外教授となる。

同時に師範学校の歴史教師となる。

1853年

『コンスタンティヌス大帝時代』を発表する。

1855年

美術史の作品となる『チチェローネ イタリアの美術品鑑賞の手引』を発表する。

1855年

スイス連邦工業大学の教授となる。

芸術史を担当する。

1858年

バーゼル大学の歴史学科の正教授となる。

1860年

自身最大の代表作である『イタリア・ルネサンスの文化』を発表する。

1872年

ベルリン大学からオファーが来るが、断る。

晩年

晩年は、著作を出版せず、大学での活動や講演活動に専念した。

1893年

活動の第一線から退く。

1897年

心臓病のために死去。

1898年

遺著である『ギリシア文化史』が出版される。

1898年

遺著である『ルーベンスの思い出』が出版される。

1898年

遺著である『イタリアの芸術史への寄与。祭壇像―絵画における肖像―収集家』が出版される

1905年

遺著である『世界史的考察』が出版される。

1922年

遺著である『パリ、ローマ、ミラノからの未知の論文』が出版される。

1929年

遺著である『歴史的断片』が出版される。

特徴

特徴

文化史・美術史を得意とし、主にヨーロッパの文化を研究しました。

ルネサンスの研究は評価が高く、ルネサンスという言葉を一般に定着させた人物でもあります。

また芸術的才能もあり、詩、絵画、音楽の創作も行いました。

スイス・バーゼルという閉ざされた場所を生活拠点とし、実世界との関わりをあまり持たなかったことでも知られます。

文化史学の祖

ブルクハルトの研究方法は、文化史学と呼ばれます。

文化史学は総体としての「文化」を研究していくため、主観が入りやすいものの考察力が高いです。

もちろん歴史学の主流派は実証主義史学(正確性・客観性を重視する手法)ですが、文化史学も一定の影響力を持ちました。

ドイツ歴史学の大家フリードリヒ・マイネッケは、客観性の高いランケの研究手法を肯定しつつも、ブルクハルト的な視点の必要性を認めています。

またアナール学派(幅広いジャンルの歴史研究を行うフランスの学派)の創始者であるリュシアン・フェーヴルも、ブルクハルトの研究から影響されたことで知られています。

思想

思想としてはショーペンハウアー(厭世的な思想で知られるドイツの哲学者)の影響を受けた悲観主義者でもあります。

歴史の進歩などを信じておらず、権力を悪であると考えていました。

ホイジンガによる評価

ヨハン・ホイジンガ(文化史を得意とするオランダの歴史学者)は、複数の著作でブルクハルトを評価しています。

ホイジンガは、ブルクハルトの『イタリア・ルネサンスの文化』の完成度の高さを認めつつも、中世とルネサンスを明確に区分するブルクハルトに異議を唱えました。

またブルクハルトが国家・宗教・文化から歴史を説明したことについて、文化の定義が曖昧であり、社会的・経済的な部分を無視していることを指摘しました。

代表作

ヤーコプ・ブルクハルトの代表作は?

最大の代表作は『イタリア・ルネサンスの文化』です。

これはルネサンス研究の古典的名著で、「ルネサンス」という言葉を一般に定着させた作品です。

また『コンスタンティヌス大帝の時代』や『チチェローネ』、死後に出版された『ギリシア文化史』や『世界史的考察』などもよく知られています。

コンスタンティヌス大帝の時代

『コンスタンティヌス大帝の時代』は、1853年に発表されたヤーコプ・ブルクハルトの作品です。

コンスタンティヌス大帝を中心に、ローマ帝国末期を研究しました。

時代の変化にともなう「文化の衰退」が論じられています。

チチェローネ―イタリアの美術品鑑賞の手引き

『チチェローネ イタリアの美術品鑑賞の手引き』は、1855年に発表されたヤーコプ・ブルクハルトの作品です。

これはイタリアの美術作品についてまとめられた書籍です。

ブルクハルトの名声を高めた作品で、スイス連邦工業大学の美術史教授への就任や、バーゼル大学の歴史学科教授への就任に繋がりました。

イタリア・ルネサンスの文化

『イタリア・ルネサンスの文化』は、1860年に発表されたヤーコプ・ブルクハルトの作品です。

ブルクハルト最大の代表作であり、ルネサンス研究の古典的名著です。

ルネサンス研究は当時としては珍しく、本書によって「ルネサンス」という言葉は定着していきました。

約150年前の書籍ながら、現在でも広く読まれています。

ギリシア文化史

『ギリシア文化史』は、1898年に出版されたヤーコプ・ブルクハルトの作品です。

ギリシア文化を研究した作品で、過度に理想化されることも多いギリシア文化の正確な分析を目指しました。

古代ギリシアの普遍的な部分に注目しつつ、古代ギリシアの中にペシミズム(悲観主義)の価値観があったことを指摘しました。

世界史的考察

『世界史的考察』は、1905年に発表されたヤーコプ・ブルクハルトの作品です。

国家・宗教・文化の3つの要素から歴史を考察しました。

ブルクハルトの歴史観を知ることができる作品です。

おわりに

ヤーコプ・ブルクハルトは、当サイトの「有名な歴史学者7選」に選出されています。

歴史学者の有名人をまとめて知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。


参考文献

フリードリヒ・マイネッケ『ランケとブルクハルト』中山治一・岸田達也訳,創文社,1960.
柴田治三郎編『世界の名著 45』中央公論社,1966.
ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化(上)』柴田治三郎訳,中央公論社,1974.
ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化(下)』柴田治三郎訳,中央公論社,1974.
H.-U.ヴェーラー編『ドイツの歴史家 第2巻』ドイツ現代史研究会訳,未来社,1983.
西村貞二『ブルクハルト 人と思想 97』清水書院,1991.
佐藤真一『ヨーロッパ史学史』知泉書館,2009.
ヤーコプ・ブルクハルト『世界史的考察』新井靖一訳,筑摩書房,2009.
ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー―十九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』岩崎稔監修,作品社,2017.

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この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
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