【決定版】イマニュエル・ウォーラーステインを解説

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目次

イマニュエル・ウォーラーステインとは

影響力
作品
イマニュエル・ウォーラーステインとは?

イマニュエル・ウォーラーステイン(1930-2019)はアメリカの社会学者・歴史学者です。

世界経済の分析手法として世界システム論を提唱し、歴史学に大きな影響を与えた人物です。

もともとはアフリカ研究を専門としており、こちらの分野でも評価が高いです。

経歴

出生~学生時代
1930年

アメリカのニューヨークに生まれる。

1947年

コロンビア大学に入学する。

コロンビア大学・ニューヨーク州立大学の教員時代
1958年

コロンビア大学で教職に就く。

1961年

『アフリカ―独立の政治学』を発表する。

1967年

『アフリカ―統一の政治学』を発表する。

1973年

全米アフリカ学会の会長となる。

1974年

『近代世界システム』の第1巻を発表する。

1976年

ニューヨーク州立大学社会学講座主任教授となる。

同大学の経済・史的システム・文明研究のためのフェルナン・ブローデル・センターの所長となる。

1979年

『資本主義世界経済』を発表する。

1983年

『史的システムとしての資本主義』を発表する。

1984年

『世界経済の政治学』を発表する。

1991年

『脱社会科学―19世紀パラダイムの限界』

1991年

『ポスト・アメリカ―世界システムにおける地政学と地政文化』

1994年

国際社会学会会長に就任する。

1998年

国際社会学界会長を退任する。

1999年

経済・史的システム・文明研究のためのフェルナン・ブローデル・センターの所長を退任する。

晩年
2019年

死亡する。

特徴

特徴

もともとはアフリカを専門とする研究者ながら、世界経済の研究に定評があります。

アフリカを研究した作品の評価は高く、全米の大学で教科書となるほどでした。

また全米アフリカ学会の会長を務めたこともあり、アメリカのアフリカ研究における中心人物でもあります。

世界経済の研究においては、後述する世界システム論の提唱者として知られており、歴史学に大きな影響を与えました。

世界システム論の提唱

ウォーラーステインの大きな功績として、世界システム論を提唱したことが挙げられます。

世界システム論とは、世界を「中核」・「半周辺」・「周辺」の3つに分類し、世界経済を分析していく手法です。

この概念は歴史学に大きな影響を与え、一国単位の経済史研究の人気を低下させました。

ただし1990年以降、自身の作品の中で世界システムの終わりを提言することも増えています。

アナール学派の影響

ウォーラーステインはアナール学派(幅広い歴史研究を行うフランスの学派)から影響を受けていることで知られます。

特に第二世代の中心人物であるフェルナン・ブローデルからの影響は大きく、ウォーラーステインの世界経済の研究の土台となっています。

ウォーラーステインは、1976年~1999年にかけてフェルナン・ブローデル・センターの所長を務めたことでも知られます。

代表作

イマニュエル・ウォーラーステインの代表作は?

最大の代表作は『近代世界システム』です。

それ以外には、『史的システムとしての資本主義』、『世界経済の政治学』、『脱社会科学―19世紀パラダイムの限界』、『ポスト・アメリカ―世界システムにおける地政学と地政文化』などが知られています。

近代世界システム

『近代世界システム』は1974年に発表されたイマニュエル・ウォーラーステインの作品です。

15世紀~20世紀のヨーロッパ経済を「中核」・「半周辺」・「周辺」の3エリアに分けて論じました。

いわゆる世界システム論を提唱した作品であり、歴史学の必読書とされることも多いです。

史的システムとしての資本主義

『史的システムとしての資本主義』は1983年に発表されたイマニュエル・ウォーラーステインの作品です。

世界経済を簡潔に解説しており、日本語版は約150ページほどの読みやすい作品です。

ウォーラーステインの経済研究への入門書としてもおすすめです。

世界経済の政治学

『世界経済の政治学』は1984年に発表されたイマニュエル・ウォーラーステインの作品です。

世界経済の分析をベースに、政治的な出来事にも言及していきます。

具体的には、反システム運動(世界システムへの抵抗運動)やナショナリズムの勃興などについて論じました。

脱社会科学―19世紀パラダイムの限界

『脱社会科学―19世紀パラダイムの限界』は1991年に発表されたイマニュエル・ウォーラーステインの作品です。

19世紀の社会科学(政治学・経済学・社会学・歴史学・人類学・東洋学の6つの学問から構成される)の限界を指摘しました。

そして、これまでの社会科学の代わりとして、上記の6つの学問を統合した「世界システム分析」を提案しました。

ポスト・アメリカ―世界システムにおける地政学と地政文化

『ポスト・アメリカ―世界システムにおける地政学と地政文化』は1991年に発表されたイマニュエル・ウォーラーステインの作品です。

冷戦が終結し、共産主義の崩壊が決定付いたことから執筆された作品です。

アメリカが世界経済の絶対的な中心ではなくなること、共産主義の崩壊が世界経済に与える影響などを論じました。

おわりに

イマニュエル・ウォーラーステインは、当サイトの「有名な歴史学者7選」に選出されています。

歴史学者の有名人をまとめて知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。


参考文献

I.ウォーラーステイン『史的システムとしての資本主義』川北稔訳,岩波書店,1985.
ウォーラーステイン『脱社会科学―19世紀パラダイムの限界』本田健吉・高橋章監修,藤原書店,1993.
川北稔編『知の教科書 ウォーラーステイン』講談社,2001.
岡崎勝世『世界史とヨーロッパ ヘロドトスからウォーラーステインまで』講談社,2003
樺山紘一編著『新・現代歴史学の名著』中央公論新社,2010.
I.ウォーラーステイン『近代世界システム Ⅰ』川北稔訳,名古屋大学出版会,2013.
I.ウォーラーステイン『近代世界システム Ⅱ』川北稔訳,名古屋大学出版会,2013.
I.ウォーラーステイン『近代世界システム Ⅲ』川北稔訳,名古屋大学出版会,2013.
I.ウォーラーステイン『近代世界システム Ⅳ』川北稔訳,名古屋大学出版会,2013.

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この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
■歴史学の本を年間100冊以上読む
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