【大好評】歴史学の基本を5分で学べる無料記事はこちら↓
『ホモ・ルーデンス』とは
![](https://yuto-ueshima.com/wp-content/uploads/2023/01/homo-ludens-1024x576.png)
必読レベル | |
難易度 |
- 『ホモ・ルーデンス』とは?
-
『ホモ・ルーデンス』は1938年に発表されたヨハン・ホイジンガの著作です。
原始社会~近代の「遊び」を研究した作品で、現在も読み継がれています。
著者
この本の著者は、オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガ(1872-1945)です。
ホイジンガは、中世ヨーロッパの文化史の研究を得意とする人物です。
言語学にも精通しており、ヘブライ語・アラビア語・スラブ語・サンスクリットなども得意としています。
代表作は『中世の秋』、『ホモ・ルーデンス』などです。
![](https://yuto-ueshima.com/wp-content/uploads/2022/12/Johan-Huizinga-300x169.png)
目次
本書の目次は以下の通りです。
Ⅰ 文化現象としての遊びの本質と意味
Ⅱ 遊び概念の発想とその言語表現
Ⅲ 文化創造の機能としての遊びと競技
Ⅳ 遊びと法律
Ⅴ 遊びと戦争
Ⅵ 遊びと知識
Ⅶ 遊びと詩
Ⅷ 詩的形成の機能
Ⅸ 哲学の遊びの形式
Ⅹ 芸術の遊びの形式
Ⅺ 「遊ビノ相ノモトニ」見た文化と時代の変遷
Ⅻ 現代文化における遊びの要素
〔Ⅰ〕と〔Ⅱ〕は本書の導入にあたる部分で、「遊び」の定義・特徴を明確にしていきます。
〔Ⅲ〕からは内容が具体的になり、〔Ⅳ〕~〔Ⅹ〕までは「遊び」の具体例が続きます。
〔Ⅺ〕と〔Ⅻ〕は本書の結論にあたる部分です。
内容
「遊び」の3つの条件
ホイジンガは「遊び」の条件として以下の3つを挙げました。
- 自由な行動である
- 日常生活から区分される
- 時間的・空間的に制限されている
自分の意思で行う、生活に必要ない、ルールを持つ活動が「遊び」と定義されています。
この定義は「遊び」について考えるうえで非常に有用なものとなっています。
「遊び」の具体例
本書では、「遊び」の具体例として以下のようなものが研究されます。
- 裁判
- 戦争
- 謎解き
- 詩
- 哲学
- 芸術
これらを研究することで「遊び」の本質に迫っていきます。
批判
本書の「19世紀以降のヨーロッパ社会では遊びが失われつつある」という主張は正しくないという批判があります。
この本が発表されたのは戦間期(第一次世界大戦と第二次世界大戦の間)であり、この時代背景もあって悲観的な考えになったのかもしれません。
評価
総合評価
![](https://yuto-ueshima.com/wp-content/uploads/2023/01/homo-ludens.png)
- 研究テーマの独自性が高く、新しい視点が得られる
- 背景知識がなくても読める
- 細かい部分で議論の余地がある
原始時代~近代にかけての「遊び」を研究した作品です。
とても珍しいジャンルの作品なので、多くの人が新鮮に感じるでしょう。
また専門用語が全く出てこないので、歴史の初学者でも取り組めるでしょう。
社会学や文芸批評などの分野で評価されており、広く読まれています。
新しい視点を求めている人におすすめ
「遊び」の研究はとても珍しいため、これまで触れたことがない人が多いはずです。
そのため本書は、歴史を新しい視点から見たい人にぴったりの作品となっています。
これまで歴史学の本をたくさん読んでおり、読書がマンネリ化している人にもおすすめです。
『ホモ・ルーデンス』の日本語版をAmazonで確認する
おわりに
以下の記事では、歴史学をまとめて解説しています。
歴史学の基本をざっくり学びたい方は、こちらの記事もおすすめです。