『ホモ・ルーデンス』を書評【著者・内容・評価】

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目次

『ホモ・ルーデンス』とは

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『ホモ・ルーデンス』とは?

『ホモ・ルーデンス』は1938年に発表されたヨハン・ホイジンガの著作です。

原始社会~近代の「遊び」を研究した作品で、現在も読み継がれています。

著者

この本の著者は、オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガ(1872-1945)です。

ホイジンガは、中世ヨーロッパの文化史の研究を得意とする人物です。

言語学にも精通しており、ヘブライ語・アラビア語・スラブ語・サンスクリットなども得意としています。

代表作は『中世の秋』、『ホモ・ルーデンス』などです。

目次

本書の目次は以下の通りです。

Ⅰ 文化現象としての遊びの本質と意味

Ⅱ 遊び概念の発想とその言語表現

Ⅲ 文化創造の機能としての遊びと競技

Ⅳ 遊びと法律

Ⅴ 遊びと戦争

Ⅵ 遊びと知識

Ⅶ 遊びと詩

Ⅷ 詩的形成の機能

Ⅸ 哲学の遊びの形式

Ⅹ 芸術の遊びの形式

Ⅺ 「遊ビノ相ノモトニ」見た文化と時代の変遷

Ⅻ 現代文化における遊びの要素


〔Ⅰ〕と〔Ⅱ〕は本書の導入にあたる部分で、「遊び」の定義・特徴を明確にしていきます。

〔Ⅲ〕からは内容が具体的になり、〔Ⅳ〕~〔Ⅹ〕までは「遊び」の具体例が続きます。

〔Ⅺ〕と〔Ⅻ〕は本書の結論にあたる部分です。

内容

「遊び」の3つの条件

ホイジンガは「遊び」の条件として以下の3つを挙げました。

  • 自由な行動である
  • 日常生活から区分される
  • 時間的・空間的に制限されている

自分の意思で行う、生活に必要ない、ルールを持つ活動が「遊び」と定義されています。

この定義は「遊び」について考えるうえで非常に有用なものとなっています。

「遊び」の具体例

本書では、「遊び」の具体例として以下のようなものが研究されます。

  • 裁判
  • 戦争
  • 謎解き
  • 哲学
  • 芸術

これらを研究することで「遊び」の本質に迫っていきます。

批判

本書の「19世紀以降のヨーロッパ社会では遊びが失われつつある」という主張は正しくないという批判があります。

この本が発表されたのは戦間期(第一次世界大戦と第二次世界大戦の間)であり、この時代背景もあって悲観的な考えになったのかもしれません。

評価

総合評価

ホモ・ルーデンス
総合評価
( 4 )
メリット
  • 研究テーマの独自性が高く、新しい視点が得られる
  • 背景知識がなくても読める
デメリット
  • 細かい部分で議論の余地がある

原始時代~近代にかけての「遊び」を研究した作品です。

とても珍しいジャンルの作品なので、多くの人が新鮮に感じるでしょう。

また専門用語が全く出てこないので、歴史の初学者でも取り組めるでしょう。

社会学や文芸批評などの分野で評価されており、広く読まれています。

新しい視点を求めている人におすすめ

「遊び」の研究はとても珍しいため、これまで触れたことがない人が多いはずです。

そのため本書は、歴史を新しい視点から見たい人にぴったりの作品となっています。

これまで歴史学の本をたくさん読んでおり、読書がマンネリ化している人にもおすすめです。


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おわりに

以下の記事では、歴史学をまとめて解説しています。

歴史学の基本をざっくり学びたい方は、こちらの記事もおすすめです。


参考文献

堀米庸三編『世界の名著 55』中央公論社,1967.
ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』高橋英夫訳,中央公論新社,1973.
ジョス・デ・ムル「ホモ・ルーデンス2.0」樫田祐一郎・雁木聡・原草平訳(『立命館言語文化研究』26巻1号,立命館国際言語文化研究所,2014)

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この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
■歴史学の本を年間100冊以上読む
■ブログとnoteを運営中

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