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『チーズとうじ虫』とは
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- 『チーズとうじ虫』とは?
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『チーズとうじ虫』は1976年に発表されたカルロ・ギンズブルグの作品です。
あるイタリアの一般人を研究した作品で、ミクロストリア(とても狭い範囲を研究していく歴史学の方法)を代表する名著です。
背景知識:ミクロストリアとは
ミクロストリアとは、とても狭い範囲を研究していく歴史学の方法です。
ひとつの村、ひとりの人間など、かなり限られた範囲を研究していきます。
研究範囲を小さく限定することで、独自の視点から歴史を分析することができます。
著者
この本の著者は、イタリアの歴史学者カルロ・ギンズブルグ(1939-)です。
ギンズブルグはミクロストリア(とても狭い範囲を研究していく歴史学の方法)を得意とする人物です。
代表作は『チーズとうじ虫』、『夜の合戦』、『ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎』などです。
内容
とあるイタリアの粉挽屋を研究
本書の研究対象は、16世紀イタリアの粉挽屋であるメノッキオ(本名:ドメニコ・スカンデッラ)という人物です。
メノッキオはキリスト教徒ながら、独自の宗教観を持っていました。
メノッキオが異端審問(キリスト教の裁判)にかけられる様子を描きつつ、メノッキオの宗教観が生まれた背景を分析していきます。
16世紀イタリアの文化がみえてくる
メノッキオという一人の人間を研究することで、最終的には16世紀イタリアの文化がみえてきます。
メノッキオの独自の宗教観の背景にある、16世紀イタリアの文化的状況が明らかになっていきます。
評価
総合評価
- ミクロストリアを体験できる
- ストーリーがあり、小説のように楽しめる
- ページ数が少ない
メノッキオ(16世紀イタリアのフリウリ地方で粉挽屋をしていた人物)について研究した作品です。
ごく限られた範囲を研究するミクロストリアの作品としては、とても有名な一冊です。
ページ数も少ない(約250ページ)ので、気軽に挑戦しやすいのも良いところです。
また歴史学の作品ながら、小説のようなストーリーを楽しむこともできます。
次々と謎が明らかになっていくミステリー小説のような展開は魅力的で、また終盤の展開には驚かされます。
ミクロストリアの入門としておすすめ
本書はミクロストリアの代表作でありながら、平易で読みやすい作品となっています。
背景知識もあまり必要ないため、ミクロストリアの最初の一冊としておすすめです。
まだミクロストリアの作品を経験していない人は、ぜひ本書を読んでみてください。
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おわりに
本書は、当サイトの「歴史学のおすすめ本7選」に選出されています。
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