『中世の秋』を書評【著者・内容・評価】

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『中世の秋』とは

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『中世の秋』とは?

『中世の秋』は1919年に発表されたヨハン・ホイジンガの作品です。

文化史の古典で、14・15世紀のフランスやネーデルラントを研究しました。

著者

この本の著者は、オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガです。

中世ヨーロッパの文化史を得意とし、これまで停滞期として扱われた中世ヨーロッパを再評価した人物です。

代表作は『中世の秋』、『ホモ・ルーデンス』などです。

内容

中世末期の価値観・思想

本書の〈Ⅰ〉~〈XVII〉では、中世末期の価値観や思想が分析されます。

〈Ⅰ〉~〈Ⅱ〉で中世末期の思想の全体的な傾向をまとめ、〈Ⅲ〉からは具体的な分析を行います。

具体的な分析においては、以下のものが研究対象となります。

  • 騎士道
  • 死生観
  • キリスト教

これら複数の要素を研究することで、中世末期の人々の価値観を多角的に分析していきます。

中世末期の芸術

本書の〈XVIII〉~〈XXI〉では、中世末期ヨーロッパの芸術が分析されます。

これまでに明らかにした中世末期の事実をもとに、主張を展開していきます。

具体的には、以下の人物などが研究対象となります。

  • ファン・アイク兄弟        (15世紀フランドルの画家)
  • ロジエ・ファン・デル・ヴァイデン (15世紀フランドルの画家)
  • ハンス・メムリンク        (15世紀フランドルの画家)
  • スリューテル           (14世紀オランダの彫刻家)

特にファン・アイク兄弟は、著者が中世末期を研究するきっかけとなった人物でもあるので、非常に注目度が高いです。

これ以外にも、中世末期の文学への言及もあります。

評価

総合評価

中世の秋
総合評価
( 4 )
メリット
  • 中世末期フランスの価値観や思考を理解できる
  • 背景知識がいらない

14・15世紀のフランスやネーデルラントの文化史を研究した作品です。

中世末期のフランスの人々の価値観や芸術を学ぶことができます。

歴史学界での知名度も高く、文化史の古典として現在も読み継がれています。

ページ数はやや多い(約350ページ×2冊)ですが、背景知識がなくても十分に読める内容となっています。

文化史の入門におすすめ

背景知識がいらないので、文化史の入門におすすめな作品です。

政治史・経済史に知識が偏っている人は、新しい歴史の見方を得られるでしょう。

文化史の作品をまだ読んだことがない人は、ぜひ本書を読んでみてください。


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おわりに

以下の記事では、歴史学をまとめて解説しています。

歴史学の基本をざっくり学びたい方は、こちらの記事もおすすめです。


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この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
■歴史学の本を年間100冊以上読む

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