『疫病と世界史』を書評【著者・内容・評価】

【大好評】歴史学の基本を5分で学べる無料記事はこちら↓

目次

『疫病と世界史』とは

必読レベル
難易度
『疫病と世界史』とは?

『疫病と世界史』は1976年に発表されたウィリアム・ハーディー・マクニールの作品です。

原始時代~20世紀までの疫病を研究し、疫病が歴史に与えてきた影響について論じました。

疫病史研究の古典であり、現在の歴史学界でも広く読まれています。

著者

この本の著者は、アメリカの歴史学者ウィリアム・ハーディー・マクニール(1917-2016)です。

マクニールは、あらゆる地域・時代を扱った大きなスケールの研究を得意とする人物です。

代表作は『西洋の勃興』、『疫病と世界史』、『力の追求』などです。

内容

原始時代~20世紀の疫病

本書は、原始時代~20世紀の疫病をまとめて解説しています。

章ごとに扱っている時代・地域は以下の通りです。

第一章→アフリカ(狩猟採集の時代)

第二章→全世界(農耕牧畜の開始-)

第三章→古代オリエント・中国・インド・古代ギリシャ・古代ローマなど(B.C.500-1200)

第四章→ヨーロッパ・エジプト・バルカン諸国・インド・中国など(1200-1500)

第五章→南北アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジアなど(1500-1700)

第六章→ヨーロッパなど(1700-)

評価

総合評価

疫病と世界史
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 原始時代~20世紀までの疫病を網羅的に理解できる
  • コンパクトにまとまっている
  • 内容がわかりやすい

歴史上のあらゆる疫病が一冊にまとめられています。

原始時代~20世紀にかけてのヨーロッパ・アフリカ・アジア・南北アメリカを研究対象としており、研究範囲はかなり広いです。

「各疫病の発生原因」「疫病が社会に与えた影響」「医学の発達」など、複数の項目が分析されている点も高評価です。

疫病史の古典としての地位を確立しており、現在でも広く読まれています。

そして内容が充実しているにもかかわらず、コンパクトで読みやすいです。(およそ500ページ弱)

背景知識も必要ないので、歴史学の初学者でも楽しめるでしょう。

疫病史の入門におすすめ

本書は、疫病史の入門書として優れた作品です。

情報量と読みやすさのバランスがよく、万人におすすめできます。

疫病史に興味がある場合は、とりあえず本書を選ぶと失敗がないでしょう。


『疫病と世界史』の日本語版をAmazonで確認する

おわりに

本書は、当サイトの「歴史学のおすすめ本7選」に選出されています。

歴史学の代表的な作品に興味がある方は、こちらの記事もおすすめです。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

■慶應義塾大学文学部日本史学専攻卒
■歴史学の本を年間100冊以上読む

目次